犬のペットホテル完全ガイド|費用相場・選び方・預け方を解説

私はトリマー歴15年、いまは自宅でトリミングサロンを開業しています。預かりの相談を受けることも多く、飼い主さんがどこでつまずくかを現場で見てきました。
この記事では、費用の実額、選び方のチェックポイント、預ける前の準備、犬のストレスを減らすコツまで順番に解説します。読み終えれば、自分の犬を任せられる場所かを自分で判断できるようになります。
ペットホテルとは?犬を預けるサービスの基本

ペットホテルは、飼い主が留守の間に犬を宿泊または時間単位で預かってくれる施設です。トリミングサロンや動物病院、ペットショップが併設していることも多く、形態はかなり幅があります。
実際、施設によって預かり単位がまったく違います。1泊2日を基本単位とする店もあれば、1時間単位や24時間制を採用する店もある。ここを理解しておくと料金の比較がぐっと楽になります。
ペットホテルの役割と仕組み
基本は「飼い主が家を空ける間、犬の世話を代行する」場所です。食事、トイレ、散歩、見守りを担当します。
預かり時間にも決まりがあります。たとえばワンラブCoaska Bayside横須賀店は朝10時から夜20時の間で受付し、その時間内なら何度でも預けと迎えができると公表しています。
一時預かり・ペットシッター・知人に預ける場合との違い
似たサービスでも中身は違います。違いを整理しました。
| 方法 | 場所 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ペットホテル(宿泊) | 施設 | 泊まりがけの旅行・出張 | 環境が変わるストレス |
| 一時預かり・日帰り | 施設 | 数時間〜日中の外出 | 宿泊不可の店もある |
| ペットシッター | 自宅 | 環境を変えたくない犬 | 他人を家に入れる |
| 知人に預ける | 知人宅 | 費用を抑えたい | 責任やトラブルが曖昧 |
正直に言うと、環境変化に弱い犬や高齢の犬は、自宅で見てもらえるシッターのほうが負担は軽いです。一方で「常にスタッフがいて設備が整っている安心感」を取るならホテル。ここは犬の性格で選び分けます。
どんなときに利用するのか
旅行、出張、入院、冠婚葬祭、引っ越し作業の間。理由はさまざまです。
私のサロンでも、年末年始やお盆の前は預かりの問い合わせが集中します。長期休暇は予約が埋まりやすいので、使う可能性があるなら早めに動くのが正解です。
犬のペットホテル利用にかかる費用の相場
費用は「犬のサイズ」「滞在単位」「オプション」で決まります。相場で語ると外しやすいので、実在施設の公表料金を見ていきます。

犬種・サイズ別の料金の目安
サイズが大きいほど高くなるのが基本です。実際の公表額を並べます。
| 施設 | 小型犬 | 中型犬 | 大型犬 |
|---|---|---|---|
| ワンラブ Coaska Bayside横須賀店 | 4,400円 | 5,500円 | 8,250円(個室) |
| PET-SPA厚木店(24時間制) | 4,400円 | 5,500円 | 8,800円 |
小型犬で1泊4,400円前後、大型犬は8,000円超。これが一つの目安になります。同じサイズでも個室か相部屋かで差が出る点も覚えておいてください。
料金体系の内訳と泊数の数え方
見落としやすいのが「泊数の数え方」です。ここで請求額が変わります。
シトロン動物病院系のペットホテルでは、料金は1泊2日を基本単位とし、契約泊数の料金を全額前納する規約になっています。チェックインとチェックアウトは原則9時30分から19時。この時間を超えると延長料金が発生します。
前述のシトロンでは、時間外の受け取りに25分につき990円の延長料金がかかります。迎えが少し遅れただけで加算されることもあるので、当日のスケジュールは余裕を持って。
滞在単位は施設で異なります。羽田空港ペットホテルは日帰りと宿泊で体系が分かれ、小型エコノミー(7kgまで)は日帰り6時間以上5,500円、1泊7,700円、2泊目以降は1泊あたり4,400円を加算する仕組みです。
送迎・食事・薬投与などの追加オプション料金
宿泊費だけ見て予算を組むと、あとで足が出ます。追加項目は事前に確認しておきましょう。
代表的なのが時間外の延長料金です。前述のとおりシトロンでは25分ごとに990円。営業時間外は有人対応をしない施設もあります。PET-SPA厚木店は、ホテルの有人対応は営業時間内のみと明記しています。
薬の投与や持病ケアは、対応の可否が施設によります。「できる」と思い込まず、予約時に必ず聞いてください。これは追加料金以前に、犬の安全に関わる確認です。
失敗しないペットホテルの選び方とチェックポイント
料金より先に見てほしいのが、環境とスタッフ体制です。安さだけで選ぶと後悔します。チェックすべき軸を整理しました。

| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 衛生面 | ケージや床の清潔さ、においの有無 |
| スタッフ体制 | 夜間の見守り、有人対応の時間帯 |
| 医療連携 | 動物病院併設か、緊急時の連絡先 |
| 利用要件 | ワクチン条件、預かり上限日数 |
| キャンセル規約 | いつから何%かかるか |
衛生面と預かり環境の見極め方
予約前に一度見学するのが一番です。私はサロンでも「先に施設を見てください」と必ず伝えます。
見るのはケージの広さ、清掃状態、においです。犬同士が顔を合わせない動線になっているかも大事。相部屋か個室かは、犬の性格に合わせて選びましょう。
スタッフ体制と24時間対応の有無
「夜は誰もいない」施設は珍しくありません。ここは事前確認が必須です。
PET-SPA厚木店は有人対応を営業時間内のみと公表しています。夜間に体調を崩したらどうなるのか。24時間対応や夜間の見守り体制があるかは、必ず聞いてください。
動物病院併設・緊急時の対応フロー
持病のある犬やシニア犬なら、動物病院併設の施設を私は勧めます。何かあったとき、その場で診てもらえる安心感は大きい。
併設でない場合でも、提携病院や緊急時の連絡フローが決まっているかを確認しましょう。「具合が悪くなったら飼い主に連絡が来るのか、先に病院へ運んでくれるのか」。この一言を聞くだけで対応力が分かります。
犬を預ける前に必要な準備と持ち物

準備不足で当日に断られるケースが、実はいちばん多いトラブルです。最優先で揃えるべきはワクチンの証明書です。
ワクチン接種証明と健康診断の準備
ほぼすべての施設でワクチン接種が利用条件です。証明書がないと預かってもらえません。
PET-SPA厚木店は、犬について5種以上の混合ワクチンと狂犬病ワクチンを1年以内に接種していることを条件としています。さらに、接種から1週間以上経過していないと利用できないとも明記。直前に打てばいいわけではない点に注意してください。
つまり「明日預けたいから今日ワクチン」では間に合いません。預ける予定が見えたら、まずワクチンの接種日を逆算するのが鉄則です。
持ち物リストと事前に伝えること
持ち物は施設によりますが、共通して用意しておくと安心なものをまとめました。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 必須 | ワクチン接種証明書 |
| 食事 | 普段のフード(量を小分け) |
| 薬 | 持病の薬・投与方法のメモ |
| 安心グッズ | いつも使う毛布やおもちゃ |
| 連絡 | 緊急連絡先・かかりつけ病院 |
| 伝達 | アレルギー・噛み癖・苦手なこと |
普段のフードは必ず持参を。預け先で急にフードが変わると、お腹を壊す子がいます。匂いのついた毛布を一枚入れるだけで、犬の落ち着きが変わることも多いです。
予約方法・キャンセルポリシー・繁忙期の注意
予約は電話かウェブが一般的。問題はキャンセル料です。直前ほど高くなります。
PET-SPA厚木店のキャンセルポリシーは、1週間前から2日前で20%、前日30%、当日は全額。予定が流動的なら、この規約を頭に入れておきましょう。また同店は利用期間を最長12泊13日以内としています。長期で預けたい場合は上限も要確認です。
年末年始やお盆は予約が一気に埋まります。私の体感でも、長期休暇の1か月前には満室になる施設があります。日程が決まったら即予約。これが繁忙期を乗り切るコツです。
犬が感じるストレスを減らす慣れさせ方
大切な犬を預けるのが不安。その気持ちはよく分かります。ストレスは完全にゼロにはできませんが、準備で大きく減らせます。

ペットホテルで犬が感じる不安とサイン
環境の変化、飼い主の不在、知らない音やにおい。犬にとっては大きなストレスです。
食欲が落ちる、震える、吠え続ける、下痢をする。これらは不安のサインです。預けた後にこうした様子が出ていないか、スタッフに様子を聞ける施設だと安心できます。
事前に慣れさせるコツ
いきなり長期はおすすめしません。私が飼い主さんに伝えているのは「まず短時間から」です。
日帰りや数時間の預かりで施設に慣れさせ、徐々に時間を延ばす。前述のワンラブ横須賀店のように1時間預かりがある施設なら、練習に使えます。普段使う毛布を一緒に預けるのも効果的です。
シニア犬・持病・多頭飼いなど特別なケースへの対応
高齢や持病のある犬は、対応可否を必ず事前に相談してください。薬の投与が必要なら、その可否も含めて。
こうしたケースでは、動物病院併設の施設が安心です。多頭飼いの場合、一緒の部屋に入れられるか別々かも確認を。仲が良くても環境が変わると喧嘩することがあるので、私は無理に同室にしないほうが安全だと考えています。
【実例】預けて起きたトラブルと注意点
実際にあるトラブルを知っておくと、予防できます。多いのは脱走、体調不良、犬同士の相性。それぞれの備え方を見ていきます。

脱走・体調不良・相性問題への備え
脱走は、預かり時や散歩時の受け渡しで起きやすい。首輪やハーネスが緩んでいないか、出発前に必ず点検してください。
体調不良への備えは、緊急時の連絡フロー確認に尽きます。前述のとおり有人対応が時間内だけの施設もあるので、夜間体制は事前に。相性問題は、個室を選べば多くを避けられます。怖がりな子なら相部屋は避けたほうが無難です。
利用者の口コミ・体験談から学ぶこと
口コミは便利ですが、鵜呑みは禁物。良い評価も悪い評価も「自分の犬に当てはまるか」で読み替える必要があります。
私がサロンのお客さまに勧めているのは、口コミより見学です。実際に施設を見て、スタッフと話す。その印象のほうが、星の数より正確に「合うかどうか」を教えてくれます。
犬のペットホテルに関するよくある質問

最後に、相談でよく受ける質問をまとめます。
よくある質問
預け先選びで迷ったら、まず候補を1つ見学してみてください。施設を見て、夜間体制とワクチン条件を聞く。この一歩を踏むだけで、不安はだいぶ小さくなります。
